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特注仕様の西山垣を製作しました|竹を活かした建築・エクステリアのための竹垣
このたび、特注仕様の西山垣を製作させていただきました。 西山垣は、図面竹と黒竹を組み合わせた袖垣で、主に目隠しを目的としたエクステリア用の竹垣です。 和の趣を持ちながらも、素材の組み合わせや納まり次第で、現代建築にも自然に馴染むのが特徴です。 建築と調和する竹垣デザイン 今回の西山垣では、明るい色味の晒竹と、引き締まった印象の黒竹を組み合わせることで、コントラストの効いた表情に仕上げました。 単なる装飾としての竹垣ではなく、建築の一部として成立するエクステリアを意識し、全体のバランスやプロポーションにも配慮しています。 特に袖垣は、視線を柔らかく遮りながらも閉塞感を与えにくく、住宅や店舗、宿泊施設など、さまざまな建築用途で重宝されます。 職人の手仕事による特注製作 竹定商店では、一本一本の竹の個体差を見極めながら、寸法調整・結束・仕上げまでを手作業で行っています。 工場内では、仮組みを行いながら納まりを確認し、最終的な仕上がりを想定したうえで製作を進めます。こうした工程を踏むことで、現場での施工性と完成時の美しさを両立させています。 竹を使った建築・エクステリアをご検討の方へ 竹垣は、単なる外構要素ではなく、建築全体の印象を左右する重要なエクステリア素材です。 既製品では対応が難しい寸法やデザインについても、特注対応が可能ですので、設計段階からお気軽にご相談ください。 竹という自然素材を、現代の建築やエクステリアにどう落とし込むか。 私たちは、素材理解と職人技術を活かしながら、一つひとつ丁寧に形にしていきます。/井上 定治 -
【京の名匠認定】輪竹(樽のタガ)を極める職人・井上静一の仕事
このたび、当社の職人・井上 静一(いのうえ せいいち)が、 長年にわたる竹加工技術とその功績が評価され、「京の名匠」に認定されました。 井上は、樽のタガ(輪竹)加工を専門とする職人です。 輪竹は、高度な技術を要する加工であり、 素材の選定から仕上げまですべての工程に経験と勘が求められます。 ・昔ながらの技法を守り続ける、妥協なき輪竹加工 井上の仕事の根底にあるのは、昔ながらの技法を重んじる姿勢です。 効率や見た目だけを優先せず、 竹の繊維の向き、湿度、わずかなクセまでを見極めながら加工を行います。 一切の妥協を許さないその姿勢から、 酒樽や伝統産業関係者をはじめ、多くの取引先から厚い信頼を寄せられてきました。 ・丁寧さと仕事の早さを両立する職人技 井上の仕事は、ただ丁寧なだけではありません。 仕上がりの美しさと、安定した仕事の早さも高く評価されています。 輪竹は一つひとつ微調整が必要なため、 経験の浅い職人では時間がかかり、品質も安定しません。 長年現場で培った感覚と技術があるからこそ、 高い精度を保ちながら、確実に仕上げることができます。 ・竹定商店が守り、次世代へつなぐ技術 竹定商店では、井上静一をはじめとする職人の技術を、 一過性のものにせず、次世代へと継承していくことを大切にしています。 輪竹加工は、今では担い手の少ない貴重な技術です。 私たちは、こうした職人の仕事を正しく伝え、 これからの建築・内装・伝統産業の中でも活かしていきたいと考えています。/井上 定治 -
整った和の空間をつくる竹建築のインテリア設計
和の空間を上質に見せるために大切なのは、派手な装飾を加えることではありません。 空間全体が整っていて、落ち着いた雰囲気があること。その積み重ねが「高級感」として伝わります。 竹建築は、そうした和の空間づくりに取り入れやすい素材です。 主張しすぎず、空間に自然になじみながら、きちんと印象を残してくれます。 この記事では、竹建材を使って、どのように和の高級感を演出できるのかを紹介します。 竹建築がつくる「整った印象」 竹建築の魅力は、空間をすっきりと見せやすい点にあります。 細かな線や規則的な並びを持つため、視覚的にまとまりが生まれやすく、空間に落ち着きを与えます。 格子や縦方向のパネルとして使うと、空間の流れが自然に整い、雑然とした印象を抑えることができます。 こうした「整って見える状態」が、結果として高級感につながっていきます。 和の空間では、何かを強く主張するよりも、全体のバランスが取れていることが大切です。 竹建築は、そのバランスを取りやすい素材です。 施工事例はこちら > 和モダン空間との相性の良さ 現代の店舗や施設では、伝統的な和風ではなく、現代的な要素を取り入れた和モダン空間が多く見られます。 竹建築は、こうした空間とも違和感なく馴染みます。 全体をシックなトーンでまとめることで、竹の素材感や立体感がより引き立ちます。 色や素材を増やしすぎず、シンプルな構成にすることで、洗練された和の高級感を演出できます。 施工事例はこちら > 空間ごとに考える、竹建築の素材の使いどころ 住宅・客室 住宅や客室では、竹建材をアクセントとして使う方法が効果的です。 床の間まわりや壁の一部、天井のデザインなどに取り入れることで、落ち着いた印象をつくることができます。 生活感が出やすい空間でも、竹建材を使うことで、空間全体が引き締まり、静かな雰囲気に整います 店舗・宿泊施設 店舗や宿泊施設では、訪れた人の印象に残る空間づくりが求められます。 竹建材は背景として使いやすく、商品や人を引き立てながら、空間の世界観を支えてくれます。 受付の背面や通路の壁、個室の仕切りなど、目に入りやすい場所に取り入れることで、自然と記憶に残る空間になります。 施工事例はこちら > 照明との組み合わせで完成する空間 竹建築のインテリアでは、照明計画も重要な要素です。 やわらかな光を当てることで、素材の表情に陰影が生まれ、空間に奥行きが加わります。 明るさを抑えた間接照明と組み合わせることで、落ち着いた雰囲気が生まれ、和の高級感がより引き立ちます。 時間帯によって印象が変わる点も、空間の魅力のひとつです。 施工事例はこちら > まとめ:竹建築で、落ち着きのある上質なインテリア空間へ 竹建築は、目立たせるための素材ではなく、空間を整え、雰囲気を高めるための素材です。 派手な装飾を加えなくても、配置や組み合わせを工夫することで、和の高級感を自然に演出できます。 派手さを抑えながら、きちんとした印象を持たせたい。 そんな和のインテリア設計において、竹建築は空間の質を高める選択肢のひとつになります。/竹定商店スタッフ -
竹建築のインテリアが変える空間価値【竹建材でつくる上質な高級感】
「高級感のある空間にしたい」と考えたとき、石や木、金属だけが選択肢ではありません。 近年、内装建築の仕上げ材として“竹建材”が注目されており、落ち着きと個性を両立した空間づくりに採り入れられています。 竹は主張が強すぎないのに、きちんと印象を残せる素材ですので、住宅はもちろん、旅館・ホテル、店舗、オフィスなど「雰囲気そのものが価値になる場所」で、空間の格を上げる素材として活躍します。 今回の記事では、竹建築で「どんな上質な空間を演出できるか」にフォーカスして、素材の魅力をご紹介します。 竹建築が高級感につながる理由は「見たときの印象」と「整ったデザイン」 高級感は、「高い素材を使ったかどうか」だけで決まるものではありません。 空間を見た瞬間に、「なんだかきれい」「丁寧につくられている」と自然に感じられるかどうかが、大きなポイントになります。 竹建築は、この第一印象の良さをつくりやすい素材です。 たとえば竹には、細かな線や節、繊維の流れといった表情があります。 無地の壁紙やベタ塗りの壁と比べると、近くで見たときに細部まで目がいき、「のっぺりした面」ではなく、「素材感のある面」として感じられます。 少し離れて見ると全体は落ち着いて見え、近づくと細やかな表情が見えてくる。 このシンプルなのに単調ではない見え方が、空間に上質さを与えます。 さらに、竹は直線的なデザインとも相性が良い素材です。 線を揃えて使うことで、空間全体がすっきり整って見えます。 結果、雑然とした印象がなくなり、静かで品のある雰囲気が生まれ、「高級感のある空間」と感じられるようになります。 竹建築で演出できる空間イメージ4選 1) 和モダン空間 和の要素を入れると古く見えるのが心配、という声は多いですが、竹建材は和の印象を残しつつ、現代的な線の美しさに寄せやすい素材です。 天井の一部を竹パネルにする、竹の背面から照明を照らすなどで、落ち着いた和モダンにまとまります。 施工事例はこちら > 2) ホテルの客室 客室にはひしぎ竹が活用できます。 ひしぎ竹には、割れ目が生み出す自然な表情があり、空間に単調さのないリズムをもたらします。 規則的すぎないラインがほどよいアクセントとなり、静かな中にも奥行きを感じさせます。 竹そのものが表情豊かな素材のため、過度な装飾を加えなくても空間が整い、全体をすっきりと品のある印象にまとめてくれます。 施工事例はこちら > 3) 店舗 店舗の内装は、写真で目立つこと以上に、訪れた人の記憶に残ることが大切です。 竹建材は、空間の背景としてほどよい存在感があり、商品や人を引き立ててくれます。 天井はもちろん、壁面に胡麻竹のひしぎパネルをアートワークとして活用することも可能です。 また、照明を工夫すると竹の表情に陰影が生まれ、空間全体の雰囲気づくりやブランドイメージの演出にもつながります。 施工事例はこちら > 4) オフィス オフィスは機能性を優先しがちで、空間が硬くなりやすい場所です。 竹建材を共用スペースの天井および什器の腰壁に取り入れると、堅さをほぐしつつ、きちんと感も損ないません。 また、オープンで心地よい環境づくりのために、天然素材である竹の質感とリズムを活かすことができます。 施工事例はこちら > まとめ:竹建築は「空間の品格」をつくるための選択肢 竹建築の魅力は、派手さではなく、整った美しさと静かな存在感にあります。 素材が空間の密度を上げ、線の美しさが秩序をつくり、照明が仕上げとして表情を引き出します。 施設でも住宅でも「上質に見せたい」「世界観をつくりたい」という場面で、強い武器になります。 もし「高級感を出したいけれど、やりすぎた装飾にはしたくない」と感じているなら、竹建材をポイント使いから検討してみてください。 空間の価値は、素材の選び方で確実に変わります。/竹定商店スタッフ -
嵐山の自社竹林で行う竹の伐採|竹材の品質を左右する「切り時」
竹定商店では、京都・嵐山にある自社竹林にて、毎年この時期に竹の伐採作業を行っています。 竹は一年中いつでも切れるように思われがちですが、実は「切り時」が非常に重要な素材です。 竹の伐採時期は「秋〜冬」が最適 竹の伐採は、秋から冬にかけての限られた期間に行うのが基本です。 この時期は竹の含水率が下がり、デンプン分も少なくなるため、 •腐りにくい •カビが発生しにくい •乾燥後の割れや変形が起こりにくい といった、竹材として理想的な状態になります。 反対に、春〜夏に伐採した竹は水分量が多く、劣化しやすいため、建築用・内装用としては不向きです。 嵐山産の竹が評価される理由 嵐山の竹林で育つ竹は、他地域の竹と比べて •繊維が詰まり、重く硬い •強度・耐久性に優れている •青竹として使用した際、経年変化で美しい白色へと変化する といった特徴があります。 その品質の高さから、著名な寺社仏閣や数寄屋建築では、嵐山産の竹を指定されるケースも少なくありません。 竹を傷めないための伐採方法 竹定商店では、伐採時の倒し方にも細心の注意を払っています。 竹を切る際は、株(根元)が搬出方向に向くように倒すことで、 •竹の運び出しがスムーズになる •地面や他の竹に当たって傷が付くリスクを軽減できる といったメリットがあります。 こうした一つひとつの工程が、最終的な竹材の品質に直結します。 竹定商店では、嵐山の自社竹林での管理・伐採から加工まで一貫して行うことで、 設計者・デザイナーの皆さまに安心して使っていただける竹材をお届けしています。/井上 定治 -
割竹の幅を均一に仕上げる ― 竹パネルづくりを支える巾引き加工の技術
竹定商店では、竹材を扱ううえで欠かせない工程のひとつに割竹の幅調整(巾引き加工)があります。 割竹は、竹を平行に割ったあと、まず鉋で表面を整えます。しかし、この段階ではまだ「幅の精度」が完成していません。 ■ 巾引き加工とは? 巾引き加工とは、割竹の幅をミリ単位で正確に揃えるための仕上げ工程です。 竹パネルや竹の内装材を製作する際、複数の割竹を並べて組み上げますが、このとき幅の誤差は品質に直結します。 •ほんの少し細い •ほんの少し太い •わずかな反りがある このような小さなズレが積み重なると、パネル全体の寸法が大きく狂ってしまいます。 ■ 安定した品質のために欠かせない工程 竹は一本一本表情が異なる天然素材です。そのため、幅を均一に調整する技術は長年の経験を積んだ職人だからこそ成せる作業です。 竹定商店では、竹の癖を見極めながら丁寧に巾引きを行い、精度の高い竹パネルや内装材を安定供給できるよう仕上げています。 ■ 動画で加工の様子を公開 今回のブログでは、実際に割竹の幅を整える巾引き加工の動画も公開しています。 竹がどのようにして均一な仕上がりへと整えられていくのか、ぜひご覧ください。 竹材の加工工程を知っていただくことで、竹という素材の奥深さや、職人の技術力がより伝わるかと思います。/井上 定治 -
幅7cmの柾割竹を製作|職人の手仕事による竹材加工の現場
幅7cmと、やや大きめサイズの柾割竹(まさわりたけ)を制作しました。 今回仕上げた柾割竹は、長年お付き合いのある問屋様へ納品させていただきます。 今回のような幅広タイプは、施工後の存在感もあり、意匠性の高い空間づくりに適しています。 最終工程では、すべて手作業でバリ取りを行い、一本一本丁寧に仕上げていきます。 このひと手間があるかどうかで、手触りや見た目の美しさに大きな差が生まれます。機械加工だけでは出せない、職人の仕事ならではの仕上がりです。 竹は自然素材のため、同じものは二つとしてありません。 一本一本の状態を見極めながら丁寧に仕上げることが、長く美しく使っていただくための重要な工程だと、私たちは考えています。/井上 定治 -
竹建材で仕上げるホテルデザイン。宿泊施設の上質な和モダン空間へ
宿泊施設において、訪れた瞬間の“空気感”や仕上げ素材の印象は、滞在時間全体の満足度を左右します。 壁・天井・パーテーションなど、どの素材を選び、どのように見せるかは、ホテルのデザイン世界を形づくるカギです。 ここでは、竹建材を用いて“上質な和モダン空間”を実現した2つの宿泊施設事例をご紹介します。 素材の選定・施工・デザイン手法に着目しながら、竹建材がどのように宿泊体験を豊かにしているかを探ります。 事例紹介①:Nazuna 京都 椿通 様 京都市内にある「Nazuna 京都 椿通 様」では、平割竹を、天井から壁面へと一体的にまわす施工を実施いたしました。 「平割竹」とは、丸竹を幅均一に割り、両端をそろえて整えた竹材です。壁や天井など幅広く使用される加工方法ですが、こちらの事例では、ゆるやかに曲げた竹を“一本の流れ”として壁から天井まで展開しています。 さらに間接照明による照らし方が工夫されており、平割竹のラインが光と影を伴って浮かび上がることで「幻想的な雰囲気」を演出。 このように、素材自体を“見せる”デザインによって、玄関からリビング、そして寝室へと流れるように続く空間の中で、平割竹のラインが統一感と奥行きのある魅力を生み出しています。 施工事例はこちら > 事例紹介②:The Junei Kyoto 様 続いて、京都市内の宿泊施設「The Junei Kyoto 様」では、内装にひしぎ竹を採用いたしました。 ひしぎ竹は、丸竹に背割を入れ、専用道具で繊維に沿って打ち出すことで板状にした竹材で、ランダムな割れ目が特徴です。 アプローチ アプローチ部分では、ひしぎ竹を乳白色のアクリルの裏側に貼り、背後から照明を当てています。 光が竹の割れ目からやわらかく透けることで、入口に上品な明るさと落ち着いた雰囲気が生まれます。施設へ足を踏み入れる瞬間から、心地よい空気感を感じられる演出です。 施工事例はこちら > 客室 客室では、ひしぎ竹の割れ目がつくる自然なリズムが、空間にほどよい変化を与えています。 素材そのものに風合いがあるため、装飾を足しすぎなくても空間が自然とまとまり、すっきりと上質な印象に仕上がります。 さらに照明との相性もよく、光の加減や見る角度によって竹の陰影が変化し、落ち着いた空気感をいっそう引き立てます。 施工事例はこちら > それぞれの事例で見る“空間演出”の共通点 これら2つの事例には、宿泊施設の内装において素材が“ただ使われる”のではなく、“魅せられている”という共通点があります。 ・竹建材が壁・天井・アプローチ部など目に触れる主要な面に用いられ、宿泊者の第一視線に入ることを意図している。 ・照明や間接光との連動で、竹のラインや割れ目が陰影として強調されており、時間帯や動線に応じて表情が変わる空間が生まれている。 ・加工や素材の組み合わせによって、和の持つ柔らかさと現代的な洗練さの両立を図っている。 このような演出によって、宿泊施設は“ただ宿泊する場所”から“体験を得る場所”へと価値を高めています。 宿泊施設に竹建材を取り入れるメリット 竹建材を宿泊施設で採用することは、機能や効能ではなく、「空間の質を高めるための選択」として非常に理にかなっています。 ・ロビーに上品なアクセントをつくり、世界観を印象づける ・客室に落ち着きと統一感を与え、滞在者の視線が自然に整う ・廊下やパブリックスペースに静けさや余白をもたらす ・照明との相乗で陰影が美しく浮かび上がる ・和とモダンの両方に馴染むため、幅広いデザインに適応 “華美ではないのに上質”“自然素材なのに都会的”という絶妙なバランスを表現できる点が、竹建材の最大の魅力といえるでしょう。 まとめ 竹建材を活用した宿泊施設の内装は、素材そのものが空間を引き立てる力を持っています。 平割竹やひしぎ竹といった加工技術、光との連動、素材の流れや配置など、細部まで意図することで“上質な和モダン”という世界観を実現できます。 ロビー・客室・パブリックスペースなど用途を問わず、竹建材は宿泊施設のデザインに幅広く対応し、滞在者の印象に残る空間づくりを後押しします。 宿泊施設の空間設計・素材選定にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。 素材の特性や仕上げ仕様、施工実例をもとに、あなたの施設に最適な竹建材の活用法をご一緒に考え、ご提案させていただきます。/竹定商店スタッフ -
10年前に施工した青竹の犬矢来を張り替え改修しました
10年前に当社が設置した青竹の犬矢来(いぬやらい)について、今回ご依頼をいただき、竹部分の張り替え改修を行いました。 ■ 犬矢来の状態と今回の施工内容 十年が経過していましたが、 骨組(下地・枠木)には大きな劣化がなく、構造は良好に維持されていました。 そのため今回は、 •青竹部分のみを新しく張り替え •既存の骨組はそのまま活かして再施工 という形で、コストを抑えつつ、美観を蘇らせる施工をご提案しました。 ■ 犬矢来は定期的な張り替えで美観が長持ちします 犬矢来は外部に設置されるため、 日射・雨風による変色や表面劣化が起きやすいです。 しかし、 •骨組を丁寧に作ること •定期的に竹のみを張り替えるメンテナンス を行えば、長期間にわたり美しい和の佇まいを保つことができます。 ■ 犬矢来の改修・新規設置について •部分張り替え •竹のみ交換 •新規製作・取付 •店舗・旅館・町家の外構デザイン相談 など犬矢来に関するご相談はお気軽にお問い合せください。/井上 定治 -
京都市内ホテルに、胡麻竹を使った当社オリジナル竹パネルをご採用いただきました
京都市内のホテルにて、当社オリジナルの胡麻竹パネルを採用していただきました。 今回製作したパネルは、胡麻竹の平割を両面削って板状に成形し、一定の角度で貼り合わせた立体的なデザインが特徴です。 竹の自然な風合いを活かしながら、上品な陰影が生まれるように設計された、当社独自の内装材です。 ■ 竹の“身”を見せる、珍しい仕上げ この竹パネルは、通常の竹製品とは大きく異なる表情を持っています。 理由は、両面を削り取っているため、竹の表皮を一切残していない点。 一般的に目にする竹材は、節や光沢のある外皮が中心ですが、このパネルでは 普段は目にすることのない「竹の身(み)」の部分をあえて前面に出しています。 竹の身には、まっすぐに伸びる繊細な繊維がぎゅっと詰まっており、光の角度によって柔らかく輝きます。 表皮とはまったく異なる、淡く滑らかな質感が生まれるため、内装材として非常に美しい存在感を放ちます。 ■ 胡麻竹ならではの自然な色味 同じ製法で白竹を加工した場合、身は淡いクリーム色に近い色味になります。 一方、今回使用した胡麻竹の繊維は、わずかに茶色味を帯びているため、落ち着いたトーンの上質な表情に仕上がります。 照明が当たると、細かな繊維が立体的な陰影をつくり、空間全体の雰囲気を柔らかく、かつ高級感ある印象に仕上げてくれます。/井上 定治 -
ゲストハウス外観に調和する黒竹のガスメーター・室外機カバー
京都市内のゲストハウスにて、特注仕様のガスメーターおよび室外機カバーを製作・設置させていただきました。建物全体の落ち着いた雰囲気に合わせ、外観に馴染むよう黒く塗装した平割竹を使用し、町家らしい端正な表情を損なうことなく設備機器を美しく隠すデザインとなっています。 黒塗装竹×町家外観の美しい調和 外観に使用した黒塗装の平割竹は、光の反射を抑えた深みのある質感が特徴で、焼杉や濃色の木部と相性がとても良く、建物の雰囲気を引き締めながら柔らかな陰影を生み出します。 竹の縦ラインが連続することでリズムが生まれ、通りに面したファサードに上質なアクセントを加えています。 機能性を備えた特注設計 ガスメーター、室外機、水道メーターなどの設備機器を隠しながら、メンテナンス性と通気性を確保する構造になっています。 特に水道メーター部分は、担当者がすぐに確認できるよう下部に蝶番を設けて開閉可能な仕様とし、日々の点検に支障が出ないよう配慮しています。 また、敷地の状況に合わせて高さ・角度を調整し、地面の傾斜にフィットするよう正確に製作しています。現場ごとに異なる条件へ柔軟に対応できるのは、竹を知り尽くした職人によるオーダーメイドならではです。 竹を使った外構・エクステリアのご相談も承ります 竹定商店では、今回のような設備カバー・竹垣・犬矢来・外構デザインなど、用途に応じて完全オーダーメイドで竹製品を製作しています。 平割竹、丸竹、塗装竹など、仕上げの種類も豊富にご用意しており、建物の雰囲気に合わせたご提案が可能です。 店舗・宿泊施設・住宅問わず、竹を活かした外観デザインをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。/井上 定治 -
京都市内のホテルに、竹の曲線美を活かした特注アートワークを製作しました
京都市内のホテルよりご依頼をいただき、特注の竹アートワークを制作しました。 今回採用いただいたのは、竹を大きく曲げて花のような形状に仕立てたオブジェ。 しなやかに広がる竹のラインが空間にやわらかな動きを生み、ホテルエントランスの象徴的な存在として設置されます。 ■ 曲げ加工で生まれる、竹ならではの立体表現 写真のとおり、材料となる竹ヒゴは一本一本しっかりと曲げ加工を施し、同じ角度・同じラインを繰り返すことで、美しい放射状のフォルムを形成しています。 竹は本来、まっすぐで硬い素材。しかし、適切に割り、火曲げや水分調整を行うことで、ここまで大きなカーブを描く彫刻的な造形が可能になります。 竹の曲線美を最大限に引き出し、工房で丁寧に仕立てた竹パーツを組み上げていきました。 ■ 組紐(くみひも)がアクセントに 根元部分には、京都らしさを感じさせる組紐(くみひも)を巻き付け、上質さと強度を両立。 竹の自然な風合いと、組紐の精緻な意匠が調和し、ホテルの空間にふさわしいエレガントな仕上がりになっています。 ■ ホテル、商業施設、住空間向けのオーダーメイド竹アートも制作可能です 竹定商店では、今回のようなオーダーメイドの竹アートワーク・竹インスタレーションを多数制作しています。 • ホテルロビーのシンボルオブジェ • 商業施設の装飾パネル • 住宅・店舗のアートピース • 花器・照明・ブランド什器 など 空間に合わせたサイズ・デザインで一から製作が可能です。 ■ 竹の可能性を、もっと建築とアートへ 竹は軽量で強く、加工によってまったく違う表情を見せる素材です。 「曲げる」「割る」「編む」「積層する」といった技法を掛け合わせることで、建築・アート分野での可能性は大きく広がります。 京都の職人が生み出す竹の美しさを、ぜひ空間づくりに取り入れてみてください。/井上 定治