
ストーリー
























歴史
古来より、日本人は竹と共生してきました。伝統的な家屋の内外での存在感から、日常生活、茶の湯、庭園での役割に至るまで、竹は日本文化に欠かせない存在であり続けています。
その驚くべき柔軟性、強度、繊細さ、自然な光沢を持つ竹は、熟練した職人の手によって新たな形を生み出します。しかし、自然が作り出した素材であるため、ひとつひとつに個性があり、経年変化によるひび割れや変色などの課題もあります。
私たちは150年近くにわたり、竹の静かで奥深い美しさに惹かれてきました。私たちの役割は、単に竹を扱うだけでなく、竹を理解し、竹の遺産を守りつつ、新たな可能性を受け入れることです。
伝統に深い敬意を払いながら、私たちは技術を磨き、過去を尊重し、この特別な素材の未知の可能性を探求し続けています。
1877
初代・井上定次郎が京都・太秦にて、竹の栽培・伐採を専門とする「竹定商店」を創業。
1920
二代目・井上種吉の時代に、酒樽用の竹輪の製造を開始。この技術は全国へと広がり、当社の主力製品のひとつとなる。
1960
在日米軍による酒樽用竹輪の使用禁止を受け、庭園資材などの製造へと業態を転換。新たな道を切り拓く大きな転機となる。
1974
資本金1,000万円にて法人化し、「株式会社竹定商店」として再出発。いち早く機械化を進め、安定供給体制を確立。竹業界での存在感を高めていく。
1975
京都・嵯峨野に第二工場を開設。竹材加工の拠点として機能を強化。
1985
四代目・井上修三のもと、内装材や京銘竹の製造を本格的に開始。竹の建築資材としての可能性を見据え、竹の栽培から製造・納品までを自社で一貫対応する体制を整える。
1985
長年の信頼と実績が認められ、「京の老舗」として表彰される。
1996
五代目・井上定信が代表取締役に就任。
2000
井上定信が京都伝統工芸専門学校および京都伝統工芸大学校にて竹工芸の後進育成に取り組む。
2017
五代目井上定信の技術と功績が認められ、「京の名工」に認定される。
2021
京都府内の自治体や商工会、森林組合と連携し、「竹コミュニティ事業」を立ち上げ。放置竹林問題の解決と、持続可能な竹材の供給体制づくりに挑む。
2024
シンガポールの国際展示会「FIND Design Fair Asia 2024」に初出展。海外での販路拡大の第一歩を踏み出し、Bode Pte Ltd. が初の正規海外代理店に就任。
2025
竹への継続的な取り組みが評価され、「京都を代表する企業100選」に選出される。
Today
五代目・六代目を中心に、職人たちと力を合わせながら、京都の竹材店や造園業者との関係を大切に守り続ける一方で、全国への販路拡大や海外市場への挑戦も積極的に進めています。時代が移り変わっても、竹への敬意とものづくりへのこだわりは、私たちの原点として変わることなく息づいています。