竹枝穂垣の製作|節を揃えるための丁寧な選別工程
/井上 定治

今回は、竹枝穂垣(たけえだほがき)の製作工程についてご紹介します。
竹垣の中でも、自然素材の表情を最大限に活かした意匠である枝穂垣は、繊細でありながらも力強い存在感を持つ伝統的な竹垣です。
◼️枝の表情が決め手となる竹垣
枝穂垣の魅力は、竹の枝(穂)が生み出す自然なラインと密度感にあります。
今回の製作では、単に自然な風合いを活かすだけでなく、
•枝が流れるように見える「しぐれ」
•枝の節を揃える「節揃え」
という仕様で製作を行いました。
この「しぐれ」と「節揃え」によって、竹垣全体にリズムと統一感が生まれ、より洗練された印象へと仕上がります。
◼️1本1本の選別が品質を左右する
枝穂垣に使用する枝は、一見似ているようでいて、実際には一本ごとに大きく異なります。
•節の位置
•枝の太さや長さ
•曲がり具合
これらを見極めながら、条件に合う枝だけを選び抜いていきます。
特に今回のように「節揃え」の仕様では、節の位置を基準に選別する必要があるため、通常以上に時間と手間がかかります。
数ある枝の中から最適なものを選び、全体として均一に見えるように構成していく工程は、まさに職人の目と経験が問われる重要な作業です。
◼️精度の高い下準備が仕上がりを決める
枝穂垣は一見ラフで自然な印象を与えますが、実際には非常に緻密に構成されています。
節が揃っているかどうかで、仕上がりの美しさは大きく変わります。
そのため、
下準備の精度=完成度 と言っても過言ではありません。
今回も時間をかけて丁寧に材料を選定し、全体のラインが美しく揃うよう調整しています。
◼️仕上げは現場で取り付け
製作した枝穂垣は、最終的に現場で取り付け・仕上げを行います。
現場の寸法や納まりに合わせて微調整することで、空間に自然に馴染む仕上がりになります。
既製品では実現できない、一点物ならではの表情と空間演出ができるのも、竹垣の大きな魅力です。
◼️まとめ|枝穂垣は「選別」が命
枝穂垣はシンプルに見えて、実は非常に繊細なバランスの上に成り立っています。
品質を左右するポイントは以下の通りです。
•節の揃い
•枝の流れ(しぐれ)
•全体のバランス
•現場での最終調整
竹定商店では、こうした細部にまでこだわり、設計意図に応じた竹垣製作を行っています。
京都らしい空間づくりや和風外構、店舗デザインなど、オーダーメイドの竹垣をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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現場施工前のシミュレーション|竹材施工のリスクを減らすために大切な準備
竹定商店では、竹材を現場に納める前に、できる限り事前シミュレーションを行っています。 今回も、次の現場施工に向けて、工場で実際の納まりや作業手順を確認しました。 竹は自然素材のため、一本一本に太さ・曲がり・しなり・節の位置などの個体差があります。 図面上では問題なく見えていても、実際に立ててみたり、曲げてみたり、取り付ける角度を確認してみると、想定とは異なる部分が見えてくることがあります。 特に今回のように、長尺の竹材を使用する場合は、現場でいきなり作業を進めると、取り回しや固定方法、作業スペースの確保などで思わぬ時間がかかることがあります。 そのため、事前に工場で実物を使って確認することで、 ・竹の曲がり方 ・必要な作業人数 ・脚立や足場の位置 ・現場での取り付け手順 ・搬入時や施工時に注意すべき点 などをできる限り把握しておきます。 現場でのリスクを減らし、スムーズに作業を行うためには、こうした事前準備がとても重要です。 竹材は、工業製品のようにすべてが均一ではありません。 だからこそ、素材の性質を理解し、事前に確認しながら進めることで、仕上がりの精度を高めることができます。 竹定商店では、竹の製作だけでなく、現場での納まりや施工方法も考慮しながら、内装・外装・店舗・ホテル・住宅など、さまざまな空間に合わせた竹材のご提案を行っています。 竹を使った空間づくりや、特注竹材の製作・施工をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。/井上 定治 -
竹を曲げる。店舗の天井意匠に使用する特注竹材を製作しました
竹定商店では、店舗内装や商業施設、ホテル、住宅などの空間に合わせて、竹材の特注製作を行っています。 今回は、店舗の天井意匠として設置するための竹材を製作しました。 写真の竹材は、まっすぐな竹をそのまま使用するのではなく、一本ずつ曲げ加工を行ったものです。 ◼️竹ならではの柔らかな曲線 今回製作している竹材は、一見すると同じようなアーチに見えますが、実は一本ずつ曲げ具合を少しずつ変えています。 竹は自然素材のため、同じ太さ・同じ長さのものでも、一本一本にクセがあります。 しなりや硬さ、節の位置、曲がりやすさが異なるため、機械的に同じ形へ曲げるだけでは、きれいな納まりになりません。 そのため、実際の仕上がりを想定しながら、竹の状態を見極めて、少しずつアーチの角度を調整していきます。 直線的な材料では表現できない、竹ならではの柔らかな曲線。 この自然な曲がりが、空間にやさしいリズムと立体感を生み出します。 ◼️店舗内装の天井意匠として使用 今回の竹材は、店舗の天井部分に取り付ける意匠材として使用します。 天井は、壁面や床と比べると意識されにくい部分ですが、空間全体の印象を大きく左右する重要な要素です。 そこに竹の曲線を取り入れることで、自然素材のあたたかみや、やわらかな動きを感じられる空間になります。 また、アーチの角度を少しずつ変えることで、単調な繰り返しではなく、流れのある天井意匠として見せることができます。 店舗内装や商業空間では、素材そのものの表情だけでなく、どのように見せるか、どのように納めるかが非常に重要です。 竹の特徴を活かした納まりを考えることで、既製品では出せない空間づくりが可能になります。 ◼️竹を曲げる難しさ 竹はしなやかな素材というイメージがありますが、思い通りに曲げるのは簡単ではありません。 無理に曲げると割れたり、節の部分で折れたりすることがあります。 また、曲げた後にどの程度戻るのかも、竹の状態によって変わります。 そのため、竹のクセを見ながら、どの方向にどれくらい曲げるかを判断する必要があります。 今回のように複数本を並べて使用する場合は、一本だけをきれいに曲げるのではなく、全体としてどのような流れに見えるかを考えながら製作します。 竹材加工では、図面通りの寸法に仕上げることはもちろん大切ですが、自然素材ならではの個体差をどう活かすかも重要です。 ◼️竹の特注製作・内装意匠のご相談 竹定商店では、丸竹、平割竹、半割竹、柾割竹、竹パネルなど、さまざまな竹材の加工を行っています。 店舗内装、ホテル、旅館、飲食店、住宅、商業施設など、空間に合わせた竹材の製作や納まりのご相談も承っております。 「竹を使いたいが、どのように納めればよいかわからない」 「既製品では対応できない寸法で製作したい」 「天井や壁面に竹を使った意匠を取り入れたい」 そのような場合も、竹の特性を踏まえながら、案件ごとに最適な方法をご提案いたします。 竹ならではの自然な曲線や素材感を活かした空間づくりをご検討の方は、ぜひご相談ください。/井上 定治 -
竹定商店の工場で生まれる、竹の再利用アイデア
竹定商店では、製品として納める竹だけでなく、工場や作業場のさまざまな場所にも竹を活用しています。 竹は自然素材のため、加工の過程でどうしても割れが入ったり、サイズが合わなかったり、製品としては使えなくなるものが出てきます。 そうした竹をそのまま処分するのではなく、「何かに使えないか」と考え、工場内の道具や収納、ちょっとした設備として再利用しています。 ◼️使えなくなった竹を、工場の道具として再利用 例えば、丸竹を使った工具ホルダー。 インパクトドライバーなどの電動工具を差し込めるように竹を加工し、作業しやすい収納として活用しています。 竹は筒状の形をしているため、工具を立てたり、差し込んだりする用途と相性が良く、少し手を加えるだけで実用的な道具になります。 また、自転車スタンドにも竹を使用しています。 丸竹の形状を活かしながら、木材と組み合わせることで、工場内で使える簡易的なスタンドとして再利用しています。 その他にも、竹の運搬や乾燥、作業時のちょっとした支えなど、工場の中では日常的に竹が使われています。 ◼️竹を使い切るための工夫 竹定商店では、竹を建材や装飾材として加工するだけでなく、使えなくなった竹をどう活かすかも大切にしています。 もちろん、すべての竹を再利用できるわけではありません。 しかし、少し形を変えたり、用途を変えたりすることで、まだまだ使える竹も多くあります。 こうした日々の工夫は、単なる再利用にとどまりません。 「この形なら何かに使えるのではないか」 「この曲がりや割れを逆に活かせないか」 「この納まりなら、別の現場にも応用できるのではないか」 そのように考える習慣が、竹定商店のものづくりにつながっています。 ◼️現場の納まりを考える力にもつながる 竹は一本一本、太さや曲がり、節の位置が異なります。 工業製品のように完全に同じ形ではないため、現場ごとに納まりを考える必要があります。 特に、これまでにないデザインや特殊なご依頼の場合、既製品のように決まった方法だけでは対応できないことがあります。 そのような時に大切になるのが、竹の特性を理解しながら、柔軟に考える力です。 工場の中で竹を使いながら、 「どう固定すれば安定するか」 「どこにビスを打てば割れにくいか」 「この形状ならどう支えればよいか」 といったことを日常的に考えていることが、実際の案件での納まり提案にも役立っているのではないかと感じています。 ◼️竹を無駄にしないものづくり 竹定商店では、竹建材、竹パネル、竹ルーバー、竹垣など、さまざまな竹製品を製作しています。 その一方で、製品にならなかった竹にも目を向け、できる限り活用することを大切にしています。 竹を無駄にしないこと。 竹の形をよく見ること。 用途を決めつけず、別の使い方を考えること。 こうした小さな積み重ねが、竹という素材の可能性を広げ、今までにない空間づくりや特殊な納まりの提案につながっているのだと思います。 竹定商店では、これからも竹の特性を活かしながら、建築・店舗内装・空間演出における竹の新しい使い方を考えていきます。/井上 定治 -
4メートル超の白竹平割竹を製作しました|特注長尺の竹ルーバー材
白竹の平割竹を製作しました。 今回製作した平割竹は、複数枚を積層し、竹ルーバーとして使用される予定です。 白竹ならではの上品な色味と、竹の節が生み出す自然なリズムが特徴で、空間にやわらかく落ち着いた印象を与えてくれます。 通常、竹材の長さは4メートルが標準規格の最大寸法となります。 しかし今回は、設計上必要となる寸法に合わせて、4メートルを超える規格外の長さで平割竹を製作しました。 ◼️平割竹を積層してルーバーにする理由 今回の平割竹は、1枚のまま使用するのではなく、複数枚を重ねて積層し、ルーバー材として使用します。 平割竹を積層する大きな理由は、竹が撓みにくくなることです。 竹はしなやかさが魅力の素材ですが、長尺で使用する場合、そのままでは撓みが出やすくなります。そこで複数枚を積層することで、厚みと強度を持たせ、ルーバー材として安定した状態で使用しやすくなります。 また、積層することで竹材自体に厚みが出るため、裏側からビスで固定することが可能になります。 表面にビスを見せずに納めやすくなるため、意匠性を重視する内装空間にも適しています。 さらに、撓みを抑えることで、取り付けに必要な桟の数を減らせる可能性があります。 下地材や固定箇所を少なくできれば、施工性の向上や、よりすっきりとした納まりにもつながります。 ◼️4メートル超の長尺平割竹について 長尺の竹材は、材料の確保から選別、加工まで通常よりも難易度が高くなります。 特に白竹の場合は、色味・曲がり・割れ・節の位置などを確認しながら製作する必要があるため、事前の準備期間が重要になります。 竹定商店では、納期に余裕をいただければ、今回のような4メートル超の特注平割竹にも対応可能です。 店舗内装、ホテル、旅館、商業施設、和モダン空間などで、長尺の竹ルーバーや白竹平割竹をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。 竹定商店では、用途や設計条件に合わせて、平割竹・半割竹・柾割竹・竹パネルなどの特注製作を行っております。/井上 定治