祇園祭・山鉾巡行の「辻回し」を支える竹を製作

/井上 定治

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京都の夏を代表する祇園祭。その山鉾巡行の大きな見どころの一つが、巨大な山鉾の進行方向を交差点で変える「辻回し」です。
竹定商店では、この辻回しに使用される竹を製作しています。今年製作した竹は、祇園祭の鷹山と放下鉾に採用いただきました。

◼️辻回しに竹が使われる理由
山鉾の車輪は、一般的な自動車のように左右へ向きを変えることができません。そのため交差点では、進行方向の地面に割竹を並べて水をかけ、その上で車輪を滑らせながら、曳き手の力によって少しずつ山鉾の向きを変えていきます。
大きく重い山鉾を直角に方向転換させる迫力ある辻回しは、山鉾巡行を象徴する場面の一つです。
一見すると簡素な竹ですが、山鉾の重量を受けながら車輪を滑らせる、重要な役割を担っています。

◼️辻回し用の竹を一本ずつ加工
今回使用する竹は、丸い竹を割り、辻回しに適した形状へ加工しています。
割っただけの竹では、幅や反り、節の形状などにばらつきがあります。そのため、実際に使用するときの安定性を考えながら竹を選別し、一本ずつ丁寧に加工していきます。
写真は、竹を割った後の状態と、加工機を使って形を整えている様子です。竹の表面や節を確認しながら、車輪の下へ並べやすいように仕上げています。

◼️鷹山と放下鉾に採用されました
今回製作した辻回し用の竹は、祇園祭の山鉾である鷹山と放下鉾に採用いただきました。
鷹山は、長い休み山の期間を経て復興し、2022年に約196年ぶりとなる山鉾巡行への復帰を果たした曳山です。
放下鉾は、真木の中ほどに祀られる放下僧の像に名前の由来を持つ鉾で、祇園祭の前祭に巡行します。
京都の伝統を受け継ぐ二つの山鉾に、竹定商店の竹を使用いただけることを大変光栄に感じています。

◼️伝統行事を足元から支える竹
祇園祭の華やかな装飾や、力強く進む山鉾に目を奪われますが、その巡行は多くの人の技術と準備によって支えられています。
辻回しに使用される竹も、巡行を安全かつ円滑に進めるために欠かせない道具の一つです。使用される時間はわずかであっても、山鉾の大きな車輪と曳き手の力を受け止めるため、竹の選定や加工にも気を抜くことはできません。
竹定商店では、建築や庭園に使用する竹材だけでなく、祭礼や伝統行事で使用される竹についても、用途に応じた加工を行っています。
これからも、京都の竹材店として、竹の技術を通じて地域の文化と伝統を支えてまいります。

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