竹建築でつくる、外と内がつながる景観
/竹定商店スタッフ外構と室内を別々に考えると、どうしても境界で印象が途切れてしまいます。
竹建築の面白さは、その境界をやわらかく整えられるところ。門まわり、塀、目隠し、そして室内の間仕切りや天井まで、同じ素材感の流れをつくるだけで、住まい全体の景観が静かにまとまります。
竹垣や犬矢来が「ただ囲うため」ではなく、道ゆく人の目を和ませ、建物の品格を引き立てる景観の一部だという考え方は、外から内への設計に直結します。




目隠しを景観に変える:竹垣は面ではなく余白をつくる
竹垣は、主に隠すための壁になりがちですが、竹建築ではむしろ余白を設計する製品です。
青竹建仁寺垣や白竹建仁寺垣は、視線をほどよく透かしながら背景を整えるタイプ。光悦寺垣も青竹と白竹があり、竹の色味で庭の明度を調整できます。
室内に連続させるなら、同じ透け感を活かして、廊下の間仕切りや、採光を落としすぎない建具の格子に。外構で得た陰影が、室内の光のグラデーションへ自然につながります。


角の収まりに品格を出す:袖垣で「視線の向き」を整える
門柱の脇、アプローチの曲がり角、玄関前の一角。こうした「角」は、景観の印象が決まりやすいポイントです。
西山袖垣、白竹玉袖垣、萩玉袖垣など、袖垣のバリエーションは、視線の向きを整え、必要なところだけを品よく隠すために使えます。
室内では、玄関の正面に「壁」を置く代わりに、袖垣の発想で短い間仕切りを設けると、動線は保ちつつ視線だけを和らげられます。
外構のしつらえが、そのまま室内の作法になる感覚です。

竹をたくさん使うより、竹が映えるポイントを押さえる
竹の良さは、竹そのものだけで決まるわけではありません。背景素材の質感で、竹の線や形がもっときれいに見えます。
外構なら、杉皮のような落ち着いた面材があると、竹の印象が引き立ちます。
室内でも同じで、竹を主役にしたいなら、壁の一部を控えめな素材にして「背景」をつくると空間に深みが出ます。
竹をたくさん使うより、竹が映える余白を整えるのがポイントです。
つながりを決めるのは「色味の設計」
外と内をそろえたいとき、竹の種類を増やしすぎるとゴチャついて見えやすいです。
だから最初に、白竹・青竹・胡麻竹・黒塗装など、どの色味を主役にするか決めます。
外構(犬矢来・竹垣・袖垣)でその色を基準にして、室内にも同じ雰囲気の色を少し入れる。たとえば外で黒塗装を使うなら、室内は黒い金物や濃い色の枠で合わせる。外で白竹なら、室内は明るい木や和紙っぽい面でつなぐ。
こうすると、製品の紹介っぽくなりすぎず、景観としてまとまりが出ます。
まとめ:竹建築は「境界のデザイン」
竹建築で外と内をつなぐコツは、同じものを並べることではありません。
「同じ考え方」でつなげるのが大事です。
- 犬矢来は足元を整える。
- 竹垣は余白をつくる。
- 袖垣は角の印象を整える。
こうした考え方で配置すると、家全体に落ち着いた品のある景観が生まれます。
外から内へ、視線や光の流れをつくる。竹はそれを自然につなぐ素材です。
竹の使い方や見え方で悩まれたら、状況に合わせてご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
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祇園祭・山鉾巡行の「辻回し」を支える竹を製作
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竹製の杓と杓台を製作しました|お庭の風情を引き立てる竹の道具
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竹定商店の工場で生まれる、竹の再利用アイデア
竹定商店では、製品として納める竹だけでなく、工場や作業場のさまざまな場所にも竹を活用しています。 竹は自然素材のため、加工の過程でどうしても割れが入ったり、サイズが合わなかったり、製品としては使えなくなるものが出てきます。 そうした竹をそのまま処分するのではなく、「何かに使えないか」と考え、工場内の道具や収納、ちょっとした設備として再利用しています。 ◼️使えなくなった竹を、工場の道具として再利用 例えば、丸竹を使った工具ホルダー。 インパクトドライバーなどの電動工具を差し込めるように竹を加工し、作業しやすい収納として活用しています。 竹は筒状の形をしているため、工具を立てたり、差し込んだりする用途と相性が良く、少し手を加えるだけで実用的な道具になります。 また、自転車スタンドにも竹を使用しています。 丸竹の形状を活かしながら、木材と組み合わせることで、工場内で使える簡易的なスタンドとして再利用しています。 その他にも、竹の運搬や乾燥、作業時のちょっとした支えなど、工場の中では日常的に竹が使われています。 ◼️竹を使い切るための工夫 竹定商店では、竹を建材や装飾材として加工するだけでなく、使えなくなった竹をどう活かすかも大切にしています。 もちろん、すべての竹を再利用できるわけではありません。 しかし、少し形を変えたり、用途を変えたりすることで、まだまだ使える竹も多くあります。 こうした日々の工夫は、単なる再利用にとどまりません。 「この形なら何かに使えるのではないか」 「この曲がりや割れを逆に活かせないか」 「この納まりなら、別の現場にも応用できるのではないか」 そのように考える習慣が、竹定商店のものづくりにつながっています。 ◼️現場の納まりを考える力にもつながる 竹は一本一本、太さや曲がり、節の位置が異なります。 工業製品のように完全に同じ形ではないため、現場ごとに納まりを考える必要があります。 特に、これまでにないデザインや特殊なご依頼の場合、既製品のように決まった方法だけでは対応できないことがあります。 そのような時に大切になるのが、竹の特性を理解しながら、柔軟に考える力です。 工場の中で竹を使いながら、 「どう固定すれば安定するか」 「どこにビスを打てば割れにくいか」 「この形状ならどう支えればよいか」 といったことを日常的に考えていることが、実際の案件での納まり提案にも役立っているのではないかと感じています。 ◼️竹を無駄にしないものづくり 竹定商店では、竹建材、竹パネル、竹ルーバー、竹垣など、さまざまな竹製品を製作しています。 その一方で、製品にならなかった竹にも目を向け、できる限り活用することを大切にしています。 竹を無駄にしないこと。 竹の形をよく見ること。 用途を決めつけず、別の使い方を考えること。 こうした小さな積み重ねが、竹という素材の可能性を広げ、今までにない空間づくりや特殊な納まりの提案につながっているのだと思います。 竹定商店では、これからも竹の特性を活かしながら、建築・店舗内装・空間演出における竹の新しい使い方を考えていきます。/井上 定治 -
4メートル超の白竹平割竹を製作しました|特注長尺の竹ルーバー材
白竹の平割竹を製作しました。 今回製作した平割竹は、複数枚を積層し、竹ルーバーとして使用される予定です。 白竹ならではの上品な色味と、竹の節が生み出す自然なリズムが特徴で、空間にやわらかく落ち着いた印象を与えてくれます。 通常、竹材の長さは4メートルが標準規格の最大寸法となります。 しかし今回は、設計上必要となる寸法に合わせて、4メートルを超える規格外の長さで平割竹を製作しました。 ◼️平割竹を積層してルーバーにする理由 今回の平割竹は、1枚のまま使用するのではなく、複数枚を重ねて積層し、ルーバー材として使用します。 平割竹を積層する大きな理由は、竹が撓みにくくなることです。 竹はしなやかさが魅力の素材ですが、長尺で使用する場合、そのままでは撓みが出やすくなります。そこで複数枚を積層することで、厚みと強度を持たせ、ルーバー材として安定した状態で使用しやすくなります。 また、積層することで竹材自体に厚みが出るため、裏側からビスで固定することが可能になります。 表面にビスを見せずに納めやすくなるため、意匠性を重視する内装空間にも適しています。 さらに、撓みを抑えることで、取り付けに必要な桟の数を減らせる可能性があります。 下地材や固定箇所を少なくできれば、施工性の向上や、よりすっきりとした納まりにもつながります。 ◼️4メートル超の長尺平割竹について 長尺の竹材は、材料の確保から選別、加工まで通常よりも難易度が高くなります。 特に白竹の場合は、色味・曲がり・割れ・節の位置などを確認しながら製作する必要があるため、事前の準備期間が重要になります。 竹定商店では、納期に余裕をいただければ、今回のような4メートル超の特注平割竹にも対応可能です。 店舗内装、ホテル、旅館、商業施設、和モダン空間などで、長尺の竹ルーバーや白竹平割竹をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。 竹定商店では、用途や設計条件に合わせて、平割竹・半割竹・柾割竹・竹パネルなどの特注製作を行っております。/井上 定治 -
白竹のひしぎを製作しました|竹の質感を活かした内装・装飾材
今回は、白竹のひしぎを製作しました。 ひしぎとは、竹を割り、内側から叩くことで平らに広げた竹材です。 竹本来の節や繊維の表情を残しながら、面材として使用できるのが特徴です。 表面には竹ならではの細かな繊維感が現れ、自然素材でありながら上品で繊細な印象に仕上がります。 今回製作した白竹のひしぎは、ベニア板などの下地に貼り付けず、竹そのものの状態で納品いたします。 竹本来の軽やかさや素材感をそのまま活かせる一方で、現場での施工には少し手間がかかります。 ◼️ひしぎは施工方法で使いやすさが変わります ひしぎ単体で施工する場合、竹の反りや厚みのばらつき、節部分の納まりなどを見ながら取り付ける必要があるため、施工にはある程度の技術が必要です。 一方で、あらかじめベニア板にひしぎを貼り付けてパネル化しておくことで、現場での施工性は大きく向上します。 パネルとして製作すれば、壁面や什器、建具、装飾パネルなどにも取り入れやすく、設計・施工の負担を抑えることができます。 竹定商店では、用途や施工条件に応じて、 ひしぎ単体での納品、 ベニア下地に貼り付けたひしぎパネル、 どちらにも対応しています。 ◼️白竹ならではの明るく上品な表情 白竹は、青竹を油抜き・乾燥させることで生まれる、明るく清潔感のある竹材です。 内装材として使用すると、空間に自然な温かみを与えながら、和に寄りすぎない上品な印象を演出できます。 特にひしぎ加工を施すことで、丸竹や半割竹とは異なる、面としての竹の美しさを表現できます。 節のリズム、繊維の細かな線、手仕事による自然な揺らぎが加わり、既製の工業製品にはない表情が生まれます。 ◼️竹の内装材・装飾材をご検討の方へ 白竹のひしぎは、店舗内装、ホテル、旅館、飲食店、什器、壁面装飾、建具など、さまざまな空間でご使用いただけます。 竹そのものの質感を活かしたい場合はひしぎ単体で、施工性を重視する場合はパネル化して納品するなど、案件に応じたご提案が可能です。 竹を使った内装材や装飾パネルをご検討の設計事務所様、デザイン会社様、施工会社様は、ぜひお気軽にご相談ください。/井上 定治 -
白竹の団扇立てを製作しました|祇園のすだれ屋さんへ納品
京都・祇園のお土産屋さんへ納品するため、白竹の団扇立てを製作しました。 団扇立てとは、舞妓さんや芸妓さんの名前入り団扇を立てて飾るために、昔から用いられてきた竹製の道具です。 祇園の花街文化とも関わりの深いもので、京都らしい風情を感じさせる竹製品のひとつです。 今回は、白竹の丸竹を使用し、団扇を差し込むための口を一つひとつ加工しました。 竹の節の位置や太さを見ながら、バランスよく団扇を立てられるように製作しています。 白竹は、青竹を油抜き・天日干しすることで生まれる、明るく上品な色合いが特徴です。 自然素材ならではのやわらかな表情があり、和の空間や京都らしい店舗什器にもよく馴染みます。 製作は、竹の選定から加工、仕上げまで職人が手作業で行います。 団扇を差し込む部分は、見た目の美しさだけでなく、実際に使いやすい角度や深さにも注意しながら仕上げました。 竹定商店では、今回のような白竹の団扇立てをはじめ、店舗装飾・和小物什器・竹を使った特注製作にも対応しております。 京都らしい雰囲気づくりや、和の演出をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。/井上 定治