KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭

2015年に京都で開催された国際写真祭 「KYOTOGRAPHIE」のために、私たちは空間の特性と展示テーマに応える、竹の大規模インスタレーションを制作しました。会場は、祇園白川にある改修前の町家。解体によってあらわになった木造の骨組みは、時代の狭間にあるような佇まいを見せ、私たちにとってはキャンバスであり、共演者でもありました。使用したのは、長さ12メートルの青竹約300本。柔らかくしなる割竹を現場で一本一本試しながら曲げ、空間のサイズや素材の自然な動きに合わせて造形しました。

竹は、約25本ずつの束となって床の間から放射状に広がり、梁や構造体に絡むように展開。建物がもつ「移り変わり」という状態を、そのまま形にしたかのようです。竹の束は、伝統的な竹垣づくりに使われる黒染めの麻縄で結び、空間に静けさと緊張感をもたらしました。
流れるようなこの造形は、同時に展示されていたフォスコ・マライーニの写真 ― 海中に潜る海女たち ― と響き合い、水中の動きや呼吸を想起させます。
素材、記憶、そしてテーマが一体となった、静謐で詩的な空間が生まれました。

場所: 京都市内
顧客: KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭
素材:青竹
技術:平割加工
竹&空間デザイン:Oliver Franz

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