ひしぎの作り
ヒシギ竹(ひしぎ)の製造プロセスは複雑で、技術、忍耐、そして精度が求められます。まず、均一な割れ目を確保するための縦方向の切り込み「セワリ」(背割)から始まります。この最初の切り込みが施された後、竹の内部の節を金属棒で除去し、空洞構造を形成します。
次に、竹の両端に小さな切り込みを入れ、割れ目を誘導し制御します。木製の槌を使用して、竹の全長と周りを慎重に割っていきます。この工程では繊細なバランスが求められます。力が強すぎると竹が不均一に割れ、弱すぎると割れ目が不均一になります。
竹が割れ始めると、専用の槌を使用して形状をさらに整えます。追加の切り込みで茎を平らにしますが、これは高度な技術が必要です。割れ目が深すぎたり多すぎると竹が崩れ、浅すぎると表面が均一に平らになりません。
最後に、節の残る不均一な部分を丁寧に切り取り、滑らかにします。このプロセスの各工程は細部にわたる注意を払って行われ、最終製品が機能的でありながら美しく仕上がるように確保されています。