竹建材で仕上げるホテルデザイン。宿泊施設の上質な和モダン空間へ

/竹定商店スタッフ

宿泊施設において、訪れた瞬間の“空気感”や仕上げ素材の印象は、滞在時間全体の満足度を左右します。

壁・天井・パーテーションなど、どの素材を選び、どのように見せるかは、ホテルのデザイン世界を形づくるカギです。

ここでは、竹建材を用いて“上質な和モダン空間”を実現した2つの宿泊施設事例をご紹介します。

素材の選定・施工・デザイン手法に着目しながら、竹建材がどのように宿泊体験を豊かにしているかを探ります。

事例紹介①:Nazuna 京都 椿通 様

京都市内にある「Nazuna 京都 椿通 様」では、平割竹を、天井から壁面へと一体的にまわす施工を実施いたしました。

「平割竹」とは、丸竹を幅均一に割り、両端をそろえて整えた竹材です。壁や天井など幅広く使用される加工方法ですが、こちらの事例では、ゆるやかに曲げた竹を“一本の流れ”として壁から天井まで展開しています。

さらに間接照明による照らし方が工夫されており、平割竹のラインが光と影を伴って浮かび上がることで「幻想的な雰囲気」を演出。

このように、素材自体を“見せる”デザインによって、玄関からリビング、そして寝室へと流れるように続く空間の中で、平割竹のラインが統一感と奥行きのある魅力を生み出しています。

竹建材を活かした洗練された竹のインテリアデザイン

平割竹のラインが美しい客室

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事例紹介②:The Junei Kyoto 様

続いて、京都市内の宿泊施設「The Junei Kyoto 様」では、内装にひしぎ竹を採用いたしました。

ひしぎ竹は、丸竹に背割を入れ、専用道具で繊維に沿って打ち出すことで板状にした竹材で、ランダムな割れ目が特徴です。

アプローチ

アプローチ部分では、ひしぎ竹を乳白色のアクリルの裏側に貼り、背後から照明を当てています。

光が竹の割れ目からやわらかく透けることで、入口に上品な明るさと落ち着いた雰囲気が生まれます。施設へ足を踏み入れる瞬間から、心地よい空気感を感じられる演出です。

上質な明るさと落ち着いた雰囲気の入口

心地よい空気感を感じられるアプローチ

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客室

客室では、ひしぎ竹の割れ目がつくる自然なリズムが、空間にほどよい変化を与えています。

素材そのものに風合いがあるため、装飾を足しすぎなくても空間が自然とまとまり、すっきりと上質な印象に仕上がります。

さらに照明との相性もよく、光の加減や見る角度によって竹の陰影が変化し、落ち着いた空気感をいっそう引き立てます。

落ち着いた照明加減の寝室

光の加減や見る角度によって竹の陰影が変化する客室

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それぞれの事例で見る“空間演出”の共通点

これら2つの事例には、宿泊施設の内装において素材が“ただ使われる”のではなく、“魅せられている”という共通点があります。

・竹建材が壁・天井・アプローチ部など目に触れる主要な面に用いられ、宿泊者の第一視線に入ることを意図している。

・照明や間接光との連動で、竹のラインや割れ目が陰影として強調されており、時間帯や動線に応じて表情が変わる空間が生まれている。

・加工や素材の組み合わせによって、和の持つ柔らかさと現代的な洗練さの両立を図っている。

このような演出によって、宿泊施設は“ただ宿泊する場所”から“体験を得る場所”へと価値を高めています。

宿泊施設に竹建材を取り入れるメリット

竹建材を宿泊施設で採用することは、機能や効能ではなく、「空間の質を高めるための選択」として非常に理にかなっています。

・ロビーに上品なアクセントをつくり、世界観を印象づける

・客室に落ち着きと統一感を与え、滞在者の視線が自然に整う

・廊下やパブリックスペースに静けさや余白をもたらす

・照明との相乗で陰影が美しく浮かび上がる

・和とモダンの両方に馴染むため、幅広いデザインに適応

“華美ではないのに上質”“自然素材なのに都会的”という絶妙なバランスを表現できる点が、竹建材の最大の魅力といえるでしょう。

まとめ

竹建材を活用した宿泊施設の内装は、素材そのものが空間を引き立てる力を持っています。

平割竹やひしぎ竹といった加工技術、光との連動、素材の流れや配置など、細部まで意図することで“上質な和モダン”という世界観を実現できます。

ロビー・客室・パブリックスペースなど用途を問わず、竹建材は宿泊施設のデザインに幅広く対応し、滞在者の印象に残る空間づくりを後押しします。

宿泊施設の空間設計・素材選定にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

素材の特性や仕上げ仕様、施工実例をもとに、あなたの施設に最適な竹建材の活用法をご一緒に考え、ご提案させていただきます。

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