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2026年1月施工に向けて|オリジナルアートワーク「撓」に使用する特注8mの白竹を準備しています
2026年1月の取り付け作業に向けて、 当社オリジナルアートワーク「撓(しなり)」に使用する白竹の準備**を進めています。 今回使用する白竹は、通常規格である4mではなく、特注の8mサイズ。 長尺竹を用いた表現は施工・管理ともに難易度が高く、 その分、空間に与えるインパクトと緊張感は非常に大きなものになります。 白竹8mは完全特注|伐採から完成まで半年以上 白竹は、青竹を伐採後、 火炙り・乾燥・天日干しなど複数の工程を経て仕上げていきます。 特に今回のような8mの長尺白竹の場合、 •伐採時期の選定 •割れ・反りを防ぐための乾燥管理 •運搬・保管時の取り扱い すべてに通常以上の注意が必要となります。 そのため、竹の伐採から白竹として完成するまでに半年以上を要し、 本プロジェクト専用として、一本一本を専用管理しています。 作品の完成度を左右する「素材準備」という工程 アートワークや建築用の竹材は、 施工直前の作業だけで完成度が決まるわけではありません。 むしろ、 どの竹を選び、どのように時間をかけて準備してきたか その積み重ねが、最終的な仕上がりに直結します。 「撓」という作品名が示す通り、 竹が持つしなやかさ・緊張感・自然な曲線を最大限に引き出すため、 素材づくりの段階から妥協なく取り組んでいます。 竹の可能性を、空間表現へ 長尺白竹を用いたアートワークは、 設計・施工・素材管理のすべてが揃って初めて成立します。 2026年1月の取り付け作業に向け、 引き続き万全の状態で準備を進めてまいります。/井上 定治 -
年末恒例|竹職人が手がける角松の製作・納品が最盛期を迎えます
毎年年末になると、正月を迎えるための角松(かどまつ)のご注文・納品が一気に増えてきます。 角松は、新年に年神様を迎えるための日本の伝統的な正月飾りであり、 使用する竹の質・切り口の美しさ・全体のバランスによって印象が大きく変わります。 竹の選定から仕上げまで、すべて職人の手仕事で角松に使用する竹は、太さ・節の位置・色味を一本一本確認しながら選定します。 切り口(斜め切り・寸胴切り)も用途や設置場所に応じて調整し、 松や葉牡丹などの植物との組み合わせも含め、全体の佇まいを意識して仕上げています。 特に年末は、 •旅館・ホテル •商業施設 •企業のエントランス •神社仏閣・店舗 など、設置場所ごとに異なる仕様の角松を多数製作・納品させていただいております。 年末限定の製作だからこそ、作り置きはできません。 角松に使われる青竹は時間とともに色味が変化するため、基本的に作り置きはできません。 そのため、ご注文に合わせて必要な分だけを製作し、最適なタイミングで納品しています。 この「手間のかかる工程」こそが、 新年を迎える空間にふさわしい、凛とした竹の表情につながっていると考えています。 竹を通して、新年を迎える空間づくりを 角松は単なる装飾ではなく、 日本の文化・季節感・空間の格を伝える大切な存在です。 毎年多くのご縁をいただき、 年末に角松を納品させていただけることを、職人一同ありがたく感じております。 正月用の角松や竹製品をご検討の際は、 ぜひお気軽にご相談ください。/井上 定治 -
青竹の井戸蓋を製作しています|年末に増えるエクステリア向け竹製品
毎年年末になると、青竹を使用したエクステリア製品の製作で工場は慌ただしくなります。 写真は、現在製作している青竹の井戸蓋の様子です。 お正月を青竹のある景色で迎えたいというご要望は多く、 年末は井戸蓋をはじめ、竹垣・袖垣・結界・竹簀子など、 エクステリア全般の竹製品のご注文が集中する時期となります。 青竹製品は「作り置き」ができません。 青竹の最大の特徴は、瑞々しい緑色と自然素材ならではの清々しさです。 しかしその反面、色の変化が早いという特性があります。 そのため青竹製品は、 •事前に大量生産して在庫する •長期間保管する といったことができません。 使用時期から逆算し、必要な分だけを製作する必要があり、 特に年末年始向けのエクステリア製品は、 この時期に一気に製作が重なります。 エクステリアに使われる青竹井戸蓋の魅力 青竹の井戸蓋は、 •和風庭園 •寺社仏閣 •旅館・料亭の外構 •町家・古民家のエクステリア などで多く採用されています。 人工素材では出せない、 自然素材ならではの柔らかさと季節感があり、 空間全体の印象を引き締めつつ、どこか落ち着きを与えてくれます。 一本一本状態を見極めながら加工し、 結び・間隔・高さを丁寧に揃えることで、 見た目だけでなく耐久性にも配慮した井戸蓋に仕上げています。 年末年始向けエクステリアのご相談はお早めに 青竹を使ったエクステリア製品は、 製作タイミングが仕上がりに直結します。 年末年始の施工や納品をご希望の場合は、 できるだけ早めにご相談いただくことで、 用途や設置場所に合わせた最適なご提案が可能です。 青竹の井戸蓋をはじめ、 エクステリア向け竹製品の製作については、 お気軽にお問い合わせください。/井上 定治 -
染煤竹のひしぎパネルを製作しました|建築・内装に生きる竹の伝統技法
このたび、染煤竹(そめすすだけ)を使用したひしぎパネルを製作しました。 今回は東京の店舗空間にてご採用いただいております。 ひしぎ加工とは、専用の道具を用いて竹の裏面を叩き割り、竹をシート状に加工する伝統技法です。竹の繊維に沿って割ることで、しなやかさと独特の表情が生まれ、古くから町屋のアプローチや内装壁などに用いられてきました。 しかし、従来のひしぎ加工は、加工した竹をそのまま壁面に取り付ける必要があり、施工中にバラけやすく、高い施工技術と手間を要するものでした。 竹定商店のひしぎパネルは、こうした課題を解消するため、 あらかじめひしぎ加工した竹をベニア板に貼り付けたパネル仕様としています。 これにより、現場では一般的な内装パネルと同様の施工が可能となり、建築・店舗内装においても扱いやすい竹素材としてご提案しています。 今回使用している染煤竹は、150年以上燻されて飴色へと変化した本煤竹を意匠的に再現した素材です。深みのある落ち着いた色合いが特徴で、空間全体に上質さと静けさをもたらします。照明との相性も良く、店舗内装やホテル、住宅のアクセントウォールとしても高い評価をいただいています。伝統的な竹の表情を活かしながら、現代建築・内装に適応させたひしぎパネル。 素材感を大切にした空間づくりをご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。/井上 定治 -
青竹の光悦寺垣を製作しました|建築・エクステリアに対応する竹垣
このたび、青竹を用いた光悦寺垣を製作いたしました。 今回は、通常よりも少し大きめのサイズでのご要望に合わせた製作となります。光悦寺垣は、斜めに組んだ割竹を菱形に編み込むことで、軽やかさの中に奥行きのある表情を生み出す伝統的な竹垣です。 視線を完全に遮らず、ほどよい透け感を持たせるため、エクステリア空間に品のある境界をつくる意匠として、寺社仏閣はもちろん、住宅や商業施設などの建築計画にも幅広く用いられています。 竹定商店では、光悦寺垣に規定サイズを設けておらず、 設置場所や用途に応じて、ご要望のサイズに合わせて製作しています。 今回のようにサイズが大きくなる場合でも、全体のプロポーションや強度、見え方のバランスを考慮し、一本一本丁寧に仕上げています。 使用している青竹は、瑞々しい色合いと艶が特徴で、経年とともに落ち着いた色味へと変化していきます。割竹の幅や角度、編み込みのピッチは、わずかな違いでも印象が大きく変わるため、職人の手仕事による調整が欠かせません。 また、框(かまち)や曲線部分の納まり、結束位置の美しさにも配慮し、建築・エクステリア用途として安心して使用できる竹垣となるよう製作しています。 建築計画やエクステリアデザインに合わせた竹垣のサイズや仕様のご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。/井上 定治 -
特注仕様の西山垣を製作しました|竹を活かした建築・エクステリアのための竹垣
このたび、特注仕様の西山垣を製作させていただきました。 西山垣は、図面竹と黒竹を組み合わせた袖垣で、主に目隠しを目的としたエクステリア用の竹垣です。 和の趣を持ちながらも、素材の組み合わせや納まり次第で、現代建築にも自然に馴染むのが特徴です。 建築と調和する竹垣デザイン 今回の西山垣では、明るい色味の晒竹と、引き締まった印象の黒竹を組み合わせることで、コントラストの効いた表情に仕上げました。 単なる装飾としての竹垣ではなく、建築の一部として成立するエクステリアを意識し、全体のバランスやプロポーションにも配慮しています。 特に袖垣は、視線を柔らかく遮りながらも閉塞感を与えにくく、住宅や店舗、宿泊施設など、さまざまな建築用途で重宝されます。 職人の手仕事による特注製作 竹定商店では、一本一本の竹の個体差を見極めながら、寸法調整・結束・仕上げまでを手作業で行っています。 工場内では、仮組みを行いながら納まりを確認し、最終的な仕上がりを想定したうえで製作を進めます。こうした工程を踏むことで、現場での施工性と完成時の美しさを両立させています。 竹を使った建築・エクステリアをご検討の方へ 竹垣は、単なる外構要素ではなく、建築全体の印象を左右する重要なエクステリア素材です。 既製品では対応が難しい寸法やデザインについても、特注対応が可能ですので、設計段階からお気軽にご相談ください。 竹という自然素材を、現代の建築やエクステリアにどう落とし込むか。 私たちは、素材理解と職人技術を活かしながら、一つひとつ丁寧に形にしていきます。/井上 定治 -
【京の名匠認定】輪竹(樽のタガ)を極める職人・井上静一の仕事
このたび、当社の職人・井上 静一(いのうえ せいいち)が、 長年にわたる竹加工技術とその功績が評価され、「京の名匠」に認定されました。 井上は、樽のタガ(輪竹)加工を専門とする職人です。 輪竹は、高度な技術を要する加工であり、 素材の選定から仕上げまですべての工程に経験と勘が求められます。 ・昔ながらの技法を守り続ける、妥協なき輪竹加工 井上の仕事の根底にあるのは、昔ながらの技法を重んじる姿勢です。 効率や見た目だけを優先せず、 竹の繊維の向き、湿度、わずかなクセまでを見極めながら加工を行います。 一切の妥協を許さないその姿勢から、 酒樽や伝統産業関係者をはじめ、多くの取引先から厚い信頼を寄せられてきました。 ・丁寧さと仕事の早さを両立する職人技 井上の仕事は、ただ丁寧なだけではありません。 仕上がりの美しさと、安定した仕事の早さも高く評価されています。 輪竹は一つひとつ微調整が必要なため、 経験の浅い職人では時間がかかり、品質も安定しません。 長年現場で培った感覚と技術があるからこそ、 高い精度を保ちながら、確実に仕上げることができます。 ・竹定商店が守り、次世代へつなぐ技術 竹定商店では、井上静一をはじめとする職人の技術を、 一過性のものにせず、次世代へと継承していくことを大切にしています。 輪竹加工は、今では担い手の少ない貴重な技術です。 私たちは、こうした職人の仕事を正しく伝え、 これからの建築・内装・伝統産業の中でも活かしていきたいと考えています。/井上 定治 -
整った和の空間をつくる竹建築のインテリア設計
和の空間を上質に見せるために大切なのは、派手な装飾を加えることではありません。 空間全体が整っていて、落ち着いた雰囲気があること。その積み重ねが「高級感」として伝わります。 竹建築は、そうした和の空間づくりに取り入れやすい素材です。 主張しすぎず、空間に自然になじみながら、きちんと印象を残してくれます。 この記事では、竹建材を使って、どのように和の高級感を演出できるのかを紹介します。 竹建築がつくる「整った印象」 竹建築の魅力は、空間をすっきりと見せやすい点にあります。 細かな線や規則的な並びを持つため、視覚的にまとまりが生まれやすく、空間に落ち着きを与えます。 格子や縦方向のパネルとして使うと、空間の流れが自然に整い、雑然とした印象を抑えることができます。 こうした「整って見える状態」が、結果として高級感につながっていきます。 和の空間では、何かを強く主張するよりも、全体のバランスが取れていることが大切です。 竹建築は、そのバランスを取りやすい素材です。 施工事例はこちら > 和モダン空間との相性の良さ 現代の店舗や施設では、伝統的な和風ではなく、現代的な要素を取り入れた和モダン空間が多く見られます。 竹建築は、こうした空間とも違和感なく馴染みます。 全体をシックなトーンでまとめることで、竹の素材感や立体感がより引き立ちます。 色や素材を増やしすぎず、シンプルな構成にすることで、洗練された和の高級感を演出できます。 施工事例はこちら > 空間ごとに考える、竹建築の素材の使いどころ 住宅・客室 住宅や客室では、竹建材をアクセントとして使う方法が効果的です。 床の間まわりや壁の一部、天井のデザインなどに取り入れることで、落ち着いた印象をつくることができます。 生活感が出やすい空間でも、竹建材を使うことで、空間全体が引き締まり、静かな雰囲気に整います 店舗・宿泊施設 店舗や宿泊施設では、訪れた人の印象に残る空間づくりが求められます。 竹建材は背景として使いやすく、商品や人を引き立てながら、空間の世界観を支えてくれます。 受付の背面や通路の壁、個室の仕切りなど、目に入りやすい場所に取り入れることで、自然と記憶に残る空間になります。 施工事例はこちら > 照明との組み合わせで完成する空間 竹建築のインテリアでは、照明計画も重要な要素です。 やわらかな光を当てることで、素材の表情に陰影が生まれ、空間に奥行きが加わります。 明るさを抑えた間接照明と組み合わせることで、落ち着いた雰囲気が生まれ、和の高級感がより引き立ちます。 時間帯によって印象が変わる点も、空間の魅力のひとつです。 施工事例はこちら > まとめ:竹建築で、落ち着きのある上質なインテリア空間へ 竹建築は、目立たせるための素材ではなく、空間を整え、雰囲気を高めるための素材です。 派手な装飾を加えなくても、配置や組み合わせを工夫することで、和の高級感を自然に演出できます。 派手さを抑えながら、きちんとした印象を持たせたい。 そんな和のインテリア設計において、竹建築は空間の質を高める選択肢のひとつになります。/竹定商店スタッフ -
竹建築のインテリアが変える空間価値【竹建材でつくる上質な高級感】
「高級感のある空間にしたい」と考えたとき、石や木、金属だけが選択肢ではありません。 近年、内装建築の仕上げ材として“竹建材”が注目されており、落ち着きと個性を両立した空間づくりに採り入れられています。 竹は主張が強すぎないのに、きちんと印象を残せる素材ですので、住宅はもちろん、旅館・ホテル、店舗、オフィスなど「雰囲気そのものが価値になる場所」で、空間の格を上げる素材として活躍します。 今回の記事では、竹建築で「どんな上質な空間を演出できるか」にフォーカスして、素材の魅力をご紹介します。 竹建築が高級感につながる理由は「見たときの印象」と「整ったデザイン」 高級感は、「高い素材を使ったかどうか」だけで決まるものではありません。 空間を見た瞬間に、「なんだかきれい」「丁寧につくられている」と自然に感じられるかどうかが、大きなポイントになります。 竹建築は、この第一印象の良さをつくりやすい素材です。 たとえば竹には、細かな線や節、繊維の流れといった表情があります。 無地の壁紙やベタ塗りの壁と比べると、近くで見たときに細部まで目がいき、「のっぺりした面」ではなく、「素材感のある面」として感じられます。 少し離れて見ると全体は落ち着いて見え、近づくと細やかな表情が見えてくる。 このシンプルなのに単調ではない見え方が、空間に上質さを与えます。 さらに、竹は直線的なデザインとも相性が良い素材です。 線を揃えて使うことで、空間全体がすっきり整って見えます。 結果、雑然とした印象がなくなり、静かで品のある雰囲気が生まれ、「高級感のある空間」と感じられるようになります。 竹建築で演出できる空間イメージ4選 1) 和モダン空間 和の要素を入れると古く見えるのが心配、という声は多いですが、竹建材は和の印象を残しつつ、現代的な線の美しさに寄せやすい素材です。 天井の一部を竹パネルにする、竹の背面から照明を照らすなどで、落ち着いた和モダンにまとまります。 施工事例はこちら > 2) ホテルの客室 客室にはひしぎ竹が活用できます。 ひしぎ竹には、割れ目が生み出す自然な表情があり、空間に単調さのないリズムをもたらします。 規則的すぎないラインがほどよいアクセントとなり、静かな中にも奥行きを感じさせます。 竹そのものが表情豊かな素材のため、過度な装飾を加えなくても空間が整い、全体をすっきりと品のある印象にまとめてくれます。 施工事例はこちら > 3) 店舗 店舗の内装は、写真で目立つこと以上に、訪れた人の記憶に残ることが大切です。 竹建材は、空間の背景としてほどよい存在感があり、商品や人を引き立ててくれます。 天井はもちろん、壁面に胡麻竹のひしぎパネルをアートワークとして活用することも可能です。 また、照明を工夫すると竹の表情に陰影が生まれ、空間全体の雰囲気づくりやブランドイメージの演出にもつながります。 施工事例はこちら > 4) オフィス オフィスは機能性を優先しがちで、空間が硬くなりやすい場所です。 竹建材を共用スペースの天井および什器の腰壁に取り入れると、堅さをほぐしつつ、きちんと感も損ないません。 また、オープンで心地よい環境づくりのために、天然素材である竹の質感とリズムを活かすことができます。 施工事例はこちら > まとめ:竹建築は「空間の品格」をつくるための選択肢 竹建築の魅力は、派手さではなく、整った美しさと静かな存在感にあります。 素材が空間の密度を上げ、線の美しさが秩序をつくり、照明が仕上げとして表情を引き出します。 施設でも住宅でも「上質に見せたい」「世界観をつくりたい」という場面で、強い武器になります。 もし「高級感を出したいけれど、やりすぎた装飾にはしたくない」と感じているなら、竹建材をポイント使いから検討してみてください。 空間の価値は、素材の選び方で確実に変わります。/竹定商店スタッフ -
嵐山の自社竹林で行う竹の伐採|竹材の品質を左右する「切り時」
竹定商店では、京都・嵐山にある自社竹林にて、毎年この時期に竹の伐採作業を行っています。 竹は一年中いつでも切れるように思われがちですが、実は「切り時」が非常に重要な素材です。 竹の伐採時期は「秋〜冬」が最適 竹の伐採は、秋から冬にかけての限られた期間に行うのが基本です。 この時期は竹の含水率が下がり、デンプン分も少なくなるため、 •腐りにくい •カビが発生しにくい •乾燥後の割れや変形が起こりにくい といった、竹材として理想的な状態になります。 反対に、春〜夏に伐採した竹は水分量が多く、劣化しやすいため、建築用・内装用としては不向きです。 嵐山産の竹が評価される理由 嵐山の竹林で育つ竹は、他地域の竹と比べて •繊維が詰まり、重く硬い •強度・耐久性に優れている •青竹として使用した際、経年変化で美しい白色へと変化する といった特徴があります。 その品質の高さから、著名な寺社仏閣や数寄屋建築では、嵐山産の竹を指定されるケースも少なくありません。 竹を傷めないための伐採方法 竹定商店では、伐採時の倒し方にも細心の注意を払っています。 竹を切る際は、株(根元)が搬出方向に向くように倒すことで、 •竹の運び出しがスムーズになる •地面や他の竹に当たって傷が付くリスクを軽減できる といったメリットがあります。 こうした一つひとつの工程が、最終的な竹材の品質に直結します。 竹定商店では、嵐山の自社竹林での管理・伐採から加工まで一貫して行うことで、 設計者・デザイナーの皆さまに安心して使っていただける竹材をお届けしています。/井上 定治 -
割竹の幅を均一に仕上げる ― 竹パネルづくりを支える巾引き加工の技術
竹定商店では、竹材を扱ううえで欠かせない工程のひとつに割竹の幅調整(巾引き加工)があります。 割竹は、竹を平行に割ったあと、まず鉋で表面を整えます。しかし、この段階ではまだ「幅の精度」が完成していません。 ■ 巾引き加工とは? 巾引き加工とは、割竹の幅をミリ単位で正確に揃えるための仕上げ工程です。 竹パネルや竹の内装材を製作する際、複数の割竹を並べて組み上げますが、このとき幅の誤差は品質に直結します。 •ほんの少し細い •ほんの少し太い •わずかな反りがある このような小さなズレが積み重なると、パネル全体の寸法が大きく狂ってしまいます。 ■ 安定した品質のために欠かせない工程 竹は一本一本表情が異なる天然素材です。そのため、幅を均一に調整する技術は長年の経験を積んだ職人だからこそ成せる作業です。 竹定商店では、竹の癖を見極めながら丁寧に巾引きを行い、精度の高い竹パネルや内装材を安定供給できるよう仕上げています。 ■ 動画で加工の様子を公開 今回のブログでは、実際に割竹の幅を整える巾引き加工の動画も公開しています。 竹がどのようにして均一な仕上がりへと整えられていくのか、ぜひご覧ください。 竹材の加工工程を知っていただくことで、竹という素材の奥深さや、職人の技術力がより伝わるかと思います。/井上 定治 -
幅7cmの柾割竹を製作|職人の手仕事による竹材加工の現場
幅7cmと、やや大きめサイズの柾割竹(まさわりたけ)を制作しました。 今回仕上げた柾割竹は、長年お付き合いのある問屋様へ納品させていただきます。 今回のような幅広タイプは、施工後の存在感もあり、意匠性の高い空間づくりに適しています。 最終工程では、すべて手作業でバリ取りを行い、一本一本丁寧に仕上げていきます。 このひと手間があるかどうかで、手触りや見た目の美しさに大きな差が生まれます。機械加工だけでは出せない、職人の仕事ならではの仕上がりです。 竹は自然素材のため、同じものは二つとしてありません。 一本一本の状態を見極めながら丁寧に仕上げることが、長く美しく使っていただくための重要な工程だと、私たちは考えています。/井上 定治